About 事業について

病院長/室長あいさつ

渥美先生平成22年からはじまった当院の女性医師等就労支援事業は、平成26年4月、北海道大学病院女性医師等就労支援室が正式に発足して、この事業を担うこととなりました。初代の室長として、ご挨拶申し上げます。

他の医療職種と同様に、医師や歯科医師の業務内容が専門化・多様化するにつれ、それに対応すべく費やさなければならない時間は指数関数的に増加しております。したがって、どの医療機関でも、社会に求められる医療を提供するための医師・歯科医師の必要数は、それと平行して増加しています。北海道を含めて、多くの地域で基幹的医療機関ですら医師不足を訴える理由のひとつが、業務量に対する医師・歯科医師数の相対的減少といえるでしょう。

特に、長時間の勤務や当直・休日勤務業務がルーチンである医師の需要数は、いくら全国の医学部が学生の定員を増やしても、未だ充足される見通しはありません。このような背景のなかで、医学部卒業者の3割強が女性であることを考えると、女性医師、あるいは子育て世代医師の労働環境を整備して、医療に参加いただく機会を増やすことの重要性はいうまでもありません。

北海道大学病院は、高度で最先端の医療を患者さんに提供するとともに、医育機関として若手医師・歯科医師の各専門研修をおこない、「一人前の専門医」を養成して社会に送り出す機能をあわせもちます。この専門研修中の医師・歯科医師は、ライフステージにおいてちょうど出産や育児の時期とも重なることが多いステージです。大きなエフォートで育児を担当する女性医師等の復職を促し、効率よく業務や専門研修をおこなう体制を整えること、その結果としてできるだけ多くの能力ある専門医を育成・輩出していくことが本推進室の第一の目的です。

皆様のご理解、あたたかいご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

北海道大学病院

病院長  男女共同参画推進室長  渥美達也 

※当HPでは渥美御夫妻からの応援メッセージも紹介しています。ぜひご覧下さい →  応援メッセージ 

室員あいさつ

西尾先生の写真

この度、女性医師棟就労支援室が男女共同参画推進室と名前が変更されることになりました。

女性医師等就労支援室は‘女性医師等’という言葉から女性医師を支援する事業である印象を持たれてしまうということから、この度名前が変更されました。医師という職業の特性上、長時間業務、当直、夜間の呼び出し等、子育てを行っている女性がすべての業務を他の医師と同等に行う事は困難と言わざるを得ません。女性医師の割合が増加している現状で、子育て世代の女性医師の離職は、単純に医師不足の問題だけではなく、共に働く仲間の負担増など多くの問題があります。女性医師の就労環境を支援することは、女性医師のみならず、男性医師も含めた医師全体の就労環境を支援することに繋がります。

また、女性医師のキャリア形成においては、医師国家試験合格者に占める女性の割合が40%になりつつある中で大学にて診療や研究を継続し、リーダーシップをとって活躍している女性医師は極端に少なく、全国的に講師以上の女性教員の割合は5%以下とされます。臨床医としてあるいは研究者としての女性の割合が増加していないのは、育児のためにキャリアアップを断念している若手女性医師が多い事が原因と考えられます。

皆様にご指導いただき、北海道大学病院において女性医師・研究者がキャリア形成を諦めることなく勤務を継続し、男女ともに快く活躍することができるよう、尽力したいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

北海道大学病院

内科Ⅱ講師 西尾 妙織

 

令和5年度より清水薫子先生の後任として男女共同参画推進室の特任助教を拝命いたしました古田と申します。

当室では従来からライフイベントに伴う種々の課題に直面する医師に対しての就労との両立支援や、医育機関として学生・若手医師に対してのキャリア形成支援を行なっておりました。これらの支援活動を引き続き行い、さらに時代の変化に合わせた多様な取り組みに発展させていきたいと思います。

全職員が能力を発揮するためには、女性医師のみならず男女両職員の就労支援を目指すことが重要と考えます。当院においては保育園、病児保育の環境整備や多様性のある勤務体制など更に改善すべき問題はあると認識しております。男女関わらずさまざまな立場の方が働きやすい環境となるよう目指して参ります。

働き方改革が進んでいく社会情勢の中で、当院の臨床・研究・教育という責務をより高いレベルで達成できるよう、本事業に取り組んで参ります。

皆様、何卒ご協力、ご支援の程宜しくお願い申し上げます。

北海道大学病院

男女共同参画推進室特任助教 古田 恵