応援メッセージ

重沢郁美先生

働き方を工夫すれば若いうちから子どもが産めます

2013年の4月から北大病院で初期研修を行っています。大学6年の時に第一子を出産し、初期研修2年目の時に第2子を出産しました。二人とも保育園に預けていますが、札幌市内に私の実家があり子どもが病気の時などは助けてもらっています。同じ保育園に先輩女性医師のお子さんも通っていて、相談に乗ってもらったり情報交換できるのは心強いですね。大学は東京でしたが、妊娠が分かったとき、家族のサポートがあることは重要だと思ったので研修先に札幌を選び、内科医の夫と一緒に移住しました。大学病院での初期研修は比較的時間に余裕があり、子育てしながらの研修に向いていると思います。

最近は女性医師が妊娠や出産というライフイベントに直面した際にも、自分のキャリアとライフプランを両立できるような制度が整いつつあります。でも、学生や研修医の間に出産する人はまだ少ないのではないでしょうか。私の周りにも「結婚しても子どもはもう少し先」と考えている先輩や同僚がいます。確かに学生や研修医時代は最も勉強しなければならない時期ですし、若いうちは仕事に集中してキャリアの基礎を築きたいと考える人も多いと思います。その点、私は育児のかたわら研修をしているので、医師としての成長は他の人より遅いかもしれません。しかし子どもを産むことの素晴らしさ、子どもと一緒に生活することの幸せは何ものにも代えがたいものだと実感しています。

重沢郁美先生

後期研修は子育てがあるため札幌市内の総合病院で勤務させて頂くこととなりました。先輩の女性医師から言われたのは「歩みは遅くても決してやめないこと」。一度仕事から離れてしまうとなかなか戻ることができないので、成長は人よりゆっくりでも少しずつ自分を高めていければと思っています。20代半ばに出産を経験している分だけ子どもの手が離れるのも早く、30〜40代になってからバリバリ働ける時期が来るのではないかと期待しています。

女性医師としてのキャリアの早くから子育てをしている先生はまだ多くはないかもしれませんが、後輩女性医師の方々がライフプランを考えるうえでの1つのロールモデルを示していければ幸いです。
学び方や働き方をきちんと計画し、信頼できる保育園を探すなど工夫すべきことはありますが、あまり深刻にならず大らかに構えることも大切だと思います。

北海道大学病院 内科Ⅱ 研修医
重沢郁美先生