二大学の会が開催されました
二大学の会
「在宅医療 なるほど!在宅医療のいろは~現場の生の声から学んでいこう~」
2020年12月12日16時30分~18時30分
Zoom によるオンライン講演会
本会は「北大キャリアシンポジアム実行委員会」と「札幌医大キャリアフォーラム実行委員会」が統合されて、北海道女性医師の会のサポートのもと成り立つ、北海道大学医学部、札幌医科大学の学部生が主体となって企画される特徴的な会です。今回は北大 山下たんぽぽさん(6年生)有田梨乃さん(5年生)、札幌医大 中村理奈さん(5年生)館山紋奈さん(2年生)が代表として企画・ポスター・趣意書作成・広報までがんばってくれました。
ご講演:
藤原 葉子先生:ホームケアクリニック札幌
癌患者さんの在宅緩和ケアを専門とし、2015年から現クリニックの院長をされている自宅で最期を過ごすことを希望している方は62.3%にのぼりますが、実現が困難だと考えている人も66%もいらっしゃいます。在宅緩和ケアの目的は、生活のサポート、家族のケア、全人的苦痛の緩和、その人らしく生き抜くことだと教えていただき、実際の症例や患者さんの動画も供覧していただきました。患者様との時間をどのように作り上げるか、何がその患者様、そしてご家族にとって望ましいかをその輪の中からの視点、そして医療者としての外からの専門的知識のもとにした視点で一つ一つ世界を作られていると感じました。
佐賀 亮介先生:札幌さがクリニック
なぜ訪問医になられたかというお一人の医師のストーリーを臨場感あふれる語り口で進められ、ノンフィクションドキュメンタリーのようなひと時でした。親御さんに勧められての医学部入学、人生と深く関わるバレーボール、外科志望から呼吸器内科での経験、仕事も育児も両立したいという女性医師である奥様の希望。結果として「訪問医になりました」のタイトルに至ります。奥様と二人で二人分の仕事をする。医師として可能なことを行い、社会的医療サポート、病院連携にこれまでの人間力を発揮されてきたという半生を率直にお伝えくださいました。学生さんもご自身に照らし合わせ引き込まれていたことと思います。
土畠 奈々先生・土畠 智幸先生:生涯医療クリニック札幌
小児・障害者の在宅医療は全国的にも少ないなか、訪問診療、訪問看護ステーション、居宅介護事務所、短期入所事業所、相談室などを展開されております。在宅患者さんは200名を超えますが、その約4割は診療を継続していくうちに20歳以上となっていることが「生涯医療クリニック」の由来とのことです。診療にとどまらず、患者様・ご家族を大事な社会のメンバーとしてお考えになっている姿勢から、医療的ケア児家族の生涯学習(みらいつくり学校)、小児在宅医療連携拠点事業、医療的ケア者の生涯学習(みらいつくり大学)、オンラインで障害者の方と学びの場を作ったり、お子さんを亡くされたご家族と一緒に食事を作って食べる(みらいつくり食堂)、絵本製作から映画の医療監修などの幅広い活動をされています。
3人のお子さんの育児をしながら医師としての診療をされてきた菜々先生は初期研修での当直・地域医療も育児をされながら完了されております。智幸先生と家事の分担をされ、帰宅後も時間の調整にて書類整理などをされているそうです。小児在宅診療ではお子さんを含めたご家庭目線があること、また女性の特性としてご指摘された、糸口の見つけ上手、そして医療スタッフとのお互いの専門的知識のスムースな交換・統合など、ご自身の経験の全てがキャリアになりうる領域とお言葉をいただきました。
お二人が協力して、それぞれの自己実現をされているお姿に一つの理想をみられた方も少なくないと思います。
ディスカッションタイム
オンラインでの開催という事で、どのタイミングで質問したらいいのか迷うなどの意見もありましたが、積極的な質問もでて、チャットで意見を出し合うなど予定時間を20分ほど超過した活気のある会となりました。
ご講演の先生方、企画の学生さん、ご参加くださった学生さん、医師の皆様ありがとうございました。