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「2021.12.7 北海道大学病院男女共同参画推進室講演会 ダイバーシティ環境における研究とキャリア」 終了報告

2021年12月17日 当院リウマチ・腎臓内科 西尾妙織先生、皮膚科 氏家英之先生にご講演を頂戴し、北海道大学大学院医学研究院 社会医学分野公衆衛生学教室 玉腰暁子先生に座長の労をおとりいただきました。

西尾先生からはイクボスの定義から、ご自身のキャリア、そして(イク)ボスになることの重要性の啓発に関し、お話がありました。さまざまな学会の意思決定機関、専門医におけるジェンダーの比較も示され、腎臓学会の40代以降の女性優位の低下への介入の必要性などが急務となっていることもご教示くださいました。専門医資格維持の重要性とともに、学会参加が必須となる場合の育児中医師に対するハードルの高さがある一方、コロナ禍で普及したオンライン参加などのメリットは期待されるところとディスカッションもありました。西尾先生ご自身からも育児中のみならず不妊治療中医師への意識も含めイクボス宣言がございました!

氏家先生からは 皮膚科領域における入局後の様々なキャリアパスを示され、その中でジェンダーの差がみられる大学院卒業以降の進路に関し、注目されていらっしゃいました。皮膚科学会のアンケート結果においてもジェンダーの詳細な比較をされ、入院診療などに差がない一方、指導的立場という観点での差が大きいことも言及されておりました。ワークライフバランスにおけるジェンダー差が影響している可能性も想像され、氏家先生ご自身から聴衆側にご意見を求められる一コマもありました。当室渥美達也室長から、目標を設定することの重要性が指摘され、呼吸器内科 杉本絢子先生からはジェンダーや研究の興味深さを伝える学生授業の活性化の必要性もコメントがありました。氏家先生からはすぐ可能な策として、基礎研究、臨床研究の特性を加味した研究テーマの選択や、育児を主に担当する女性医師が大学院生を指導する際に、男性医師とのペアでの施行などの具体案もご提示されておりました。最後に玉腰先生から、実行可能な具体案の模索と共に、社会的変化の推進の両輪での進展の必要性に関しお話がありました。

意見交換が活発な会であり、より多くの方々の参加・意見が得られる2022年となるよう努力いたします。

アンケート結果(12.17)