各診療科における男女共同参画への取り組み紹介

現在、眼科入局者の約半数が女性であり、関連病院を含めた眼科医局の運営に女性医師は大変重要な役割を担っています。ジェンダーレスが叫ばれている今日、家事、育児、介護は女性だけの仕事ではないことを皆さん認識されていると思います。ところが、どうしても日本ではこれらの仕事は女性が中心となっておこなうことが慣例化しており、特に出産から数年間は、思うように仕事ができないことも少なくありません。そして自身の病気療養に至っては性別は関係ないことは言うまでもありません。

眼科では、そのように仕事や研究以外のライフワークに時間や労力が必要となった医師に少しでも専門性を維持していただき、いつでも第一線に復帰、そして指導者へ育ってもらう必要があると考えております。そのために、以前作成した「女性医師支援プログラム」を改訂して「育児介護支援プログラム」を作成し、現在第5版まで改訂してきました。対象は就学前の子供がいる、もしくは家族の介護や自身の疾患などの理由でこのプログラムを希望することを申し出た医師で、「フルタイムコース」と「時間短縮コース」を設定しています。

フルタイムコースでは正規の勤務時間は責任を持って仕事をしていただき、ただし定時に帰宅することができるよう、医局全体で配慮をしています。療養・介護の場合は、通院などが可能となるよう出勤日を調整します。

時間短縮コースでは、適応があれば北大病院の短時間勤務医員枠「すくすく育児支援プラン」を利用し、週に何度か北大病院の外来(新患、専門外来など)を担当していただくことで専門性が維持できるような配慮をしています。また、希望があれば手術に携わることも可能です。

これからもニーズや時代背景に合わせて改訂を重ねていく予定です。医局員の皆さんが、仕事も、研究も、家族も、健康も、どれも諦めなくてよいよう、これからも支援していきます。

眼科ホームページ http://eye.med.hokudai.ac.jp/

眼科 科長

石田 晋