医学部における女子学生の割合の増加、患者からの女性医師に対するニーズの高まりによって産婦人科を志す女子学生数が増加しています。
女性医師は、妊娠、出産、子育てなど男性医師にはあまり考える必要のない様々な状況に置かれる可能性があり、社会的にもそれらに柔軟に対応する仕組みが求められている時代です。
私共、産婦人科においては以前より妊娠・出産をする女性医師が勤務しやすい労働環境を提供できるよう全員で努力を続けてまいりました。今後も、女性医師が各々のライフスタイルにあった勤務形態、勤務場所を許容し、よりよい労働環境の提供に努めてまいります。
産婦人科ホームページ(一般社団法人WIND) https://www.wind.or.jp
産婦人科 科長
渡利 英道
周産期分野:
「産婦人科診療ガイドライン産科編2023」では、胞状奇胎、妊娠中の貧血やプレコンセプションケアに関するCQの追加など、多くのアップデートがなされています。その中でもいくつかの改訂のポイントを記載します。
CQ301「頸管無力症など、流早産ハイリスク妊婦の抽出とその対応は?」においては、子宮頸管長の測定を妊娠18~24週に行うよう推奨されます。また、経腹的な予防的頸管縫縮術についても初めて記載されます。CQ309-2「妊娠高血圧症候群と診断されたら?」においては、「収縮期血圧180以上かつ/または拡張期血圧120mmHg以上の場合は「高血圧緊急症」と診断し、・・・」の文言が削除され、ガイドラインから高血圧緊急症の文言がすべてなくなります。収縮期血圧160以上かつ/または拡張期血圧110mmHg以上でも十分に危険なため速やかな対応を促す目的があり、収縮期血圧180以上かつ/または拡張期血圧120mmHg以上まではまだ待機できるという誤った認識につながらないようにするためのものです。CQ309-3も「妊産褥婦がけいれんを起こしたときの対応は?」から「妊産褥婦が子癇を起こしたときの対応は?」に変更されるなど、随所に修正がありますので「産婦人科診療ガイドライン産科編2023」を是非一度ご確認ください。
婦人科分野:
産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2023が改訂され、また腫瘍分野ではロボット手術の導入や、免疫チェックポイント阻害薬の普及などに伴い、子宮頸癌治療ガイドライン2022年版、子宮体がん治療ガイドライン2023年版が改訂されています。