応援メッセージ

人生の時期に応じて働き方にバリエーションを

北海道大学病院泌尿器科 講師 大澤崇宏先生からのメッセージ

子どもが小さい頃はあっという間

私が泌尿器科の道に進んだのは、祖父が膀胱がんで亡くなったことがきっかけです。医学部に進学し、その後いろいろな科について学びましたが、最初に興味をもった泌尿器科医になりました。

2002年に医学部卒業と同時に結婚し、皮膚科医になった妻と共働きの生活がスタートしました。二人とも初めての環境で忙しく、「家事は分担」という気持ちはありましたが、それまで実家暮らしで経験がなく、妻の負担が大きかったと反省しています。

少し状況が変わったのは、一人目の子どもが誕生してからです。臨床を離れて大学院で研究をしていた時期と重なり、子育てに少し時間を割けるようになりました。子どもは北大病院保育園ポプラに預けていましたが、熱を出すなど急な呼出しが時々ありました。当時、妻が外来診療をしていて、急な呼出しの対応が難しい時には、臨床を離れて実験をしていた私が対応することもありました。たとえ6〜7時間かけた実験の途中でも、中断して翌日やり直し、ということもありました。でも、病気の子より大事な実験はありません。実際に、私が急な呼出しの対応をすることは数えるくらいしかありませんでしたが、普段の妻の役割や両親のサポートに感謝を覚えたものです。また、ベビーシッターさんや病後児保育室ぶらんにも大変お世話になりました。

現在、子どもは中学生と小学校高学年になり、あまり手が掛からなくなりました。小さかったころは毎日必死で、夫婦ともに余裕がありませんでしたが、振り返ってみると良い経験になりました。育児真っ最中の方には、「大変な時期はそんなに長くないですよ」と伝えたいと思います。

後悔のない納得いく選択を

2014年から2年間、米国ミシガン大学にリサーチフェローとして留学し、師事した教授から多くを学ぶ機会を得ることが出来ました。留学中には、これからの手本となるような多くの臨床医と共同のプロジェクトを持つ貴重な機会を得ましたし、基礎研究室でもよいメンバーに出会うことが出来ました。そのような人たちと過ごして感じたことは、彼らがオンとオフの区切りを上手につけていること、家族との時間を大事にすること、そして人生をenjoyしようとしていることでした。帰国前にボスの一人から、”Remember when back in Japan, taking care of and spending time with family is very important. Even if it means you do not go as high in your professional position. Consider which will make you a happier person! “とメッセージをもらったことが印象に残っています。なかなか忙しい日々が続いていることは確かですが、帰国後もその気持ちは忘れないようにと思っています。

近年は後輩を指導したり、プロジェクトの責任者を任されたり、自分の仕事だけをする年齢ではなくなりました。いつも大切にしているのは、仲間が困ったときに相談しやすい雰囲気をつくること。そして一緒に最善の方策を考えることです。そういった意味では患者さんとのやり取りと同じかもしれません。女性にも男性にも子育てや介護など、人生にはいろいろな出来事があり、ずっと同じには働けません。それでも、時間を短縮したり業務を選択したり、働き方にバリエーションがあればキャリアを続けることができます。自分にもいえることですが、後悔のないように納得いく選択をして欲しいと思います。

それから、自分自身うまくできたとは思えないので、こんなメッセージを口にするのは恥ずかしいのですが、共働きのパートナーがいる場合は、できるだけ気遣って互いをカバーし合ってください。どんなときも家族と楽しく過ごせることが一番大切だと思います。

北海道大学病院泌尿器科 講師

大澤崇宏先生