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「2021.3.3 北海道大学男女共同参画推進室主催ウェブランチミーティング」終了報告

今回は予てからの希望でした、当院関連病院からの講師の先生をお招きしてのランチミーティングとさせていただきました。内科1の杉本絢子先生が主導された診療科内女性医師を対象としたアンケート結果の共有とともに遠藤陶子先生から気づきと新しい切り口をご提案いただきました。今回は講師である杉本先生・遠藤先生から当室HPへもご寄稿もいただきました。

 

▢北大病院内科I女性医師アンケート結果からみえたもの

2017~2018年に、北大病院内科Iの女性医師を対象に、育児医師の現状把握と問題点抽出を目的としたアンケートおよび有志によるミーティングを行いました。当時、当科女性医師の約7割が未就学児を育児中でした。普段は保育園、急病時は病児/病後児保育施設利用が最多であり、保育施設の重要性が認識されました。また、保育園送迎込みで車通勤をしている医師が多く、駐車場確保の重要性が認識されました。次に、主な問題点や意見を示します。

①すくすく育児支援プラン:勤務条件の周知不足により定時で帰宅しにくいことがある。低頻度なら当番・当直が可能な人もいるので、フレキシブルな制度が望まれる。

②子供の急病時:院内病児保育施設の設置、院内病後児保育施設の定員増員が望まれる。バックアップ探しを第三者に依頼する体制や、事前のバックアップ体制(育児医師間など)があると良い。非育児医師の負担軽減のため、人員確保、業務の効率化やシェアが望まれる。

③会議:日中であれば参加しやすい。時間外開催に備え院内一時預かり施設があると良い。医局会や抄読会等の内容がメールで周知されると良い。

④北大内保育園:病院敷地外にあるため遠い。先着順、人気が高い、市の選考などにより、北大勤務決定時に既に満員のことがある。

⑤入構証:北大外保育園への送迎込みで車通勤を要する場合、自宅-北大病院間が2km以上でも自宅-最寄駅間が1kmに満たないと入構証が取得できず、臨時入構証や北大外の駐車場を利用することになり、時間や費用面でロスを生じる。

⑥市中病院:育児医師のロールモデルが少なく、病院毎に体制が異なる。当直免除が困難でも、事前調整徹底、日中のみ、回数制限、などがあると良い。特に妊娠中は配慮が望まれる。

以上、育児医師への理解、非育児医師の負担軽減だけでなく、ハード面の充実(勤務制度、保育施設、駐車場)が大きな課題であることがわかりました。今後、少しずつ解決されていくことを期待します。

今回、主に女性の育児医師の問題点を抽出しましたが、非育児医師といっても男性を含めると実際はお子さんをお持ちの方も多く、また、育児、更に介護をしながら勤務する共働き医師は男女問わず増えていくと予想されます。今後、ワーク・ライフのバランスとシェアについて全員が自分事としてとらえ、全体が最適化される必要があると感じました。

 

▢私のイクボス論 〜皆のお互い様と最適化〜

内科2の同門で、2019年に同じ内科2の同門でいらっしゃったお父様のクリニックを継承され、理事長・院長にご就任された遠藤陶子先生。管理職・診療の傍ら、ラジオでもDr.トーコとして一般の方々への啓発活動を行うなど、精力的に活動されています。また、派遣医を含め、職員の子育て支援にも積極的に取り組まれている、まさに「イクボス」。今回はそんな遠藤先生から、「私のイクボス論~皆のお互い様と最適化」とのご演題でご講演頂きました。

ワーク&ライフの様々な出来事を直視し、解決しようと真摯に取り組まれてきた日々を鮮やかに語っていただきました。遠藤先生ご自身がお示しされたとおり、詳細かつ無二のケースレポートで、自分もがんばろう!と思わせていただけました。人が動くのは内側から起こる作用が不可欠であり、いろいろ考えていても伝わらないと何もしていないと同じという厳しさもご自身に課し、希望・考えを具現化するエネルギーは驚くほどです。問題を解決する前提で方法を模索する、という概念もワーク・ライフ両者において生きると感じました。先生は解決策がないまま日々が過ぎたと言われておりましたが、ダイバーシティにおいてone-fits-allの打開策はもしかしたら存在しないかもしれないので、双方の理解、感謝、そして努力の積み重ねというある意味抽象的プロセスの結果として、イクボスの域に達されたのかもしれないと想像いたしました。

 

 

杉本先生からのメッセージ:遠藤先生のご講演を拝聴し、「最適化=凹凸を組み合わせること」として、仕事全力投球の働き方を基準に不足を補う、といった現状から、個々の凹凸を認め尊重する相補的なシステムへの転換を、理事長・院長として確実に実践されていることに感銘を受けました。最適化は個人の思いのみでは実現困難です。未来へ向かって、多様な働き方を尊重し全員が活躍できる組織を、全体として目指していくべきではないかと感じました。

遠藤先生からコメント: ライフイベントを迎えた職員が「迷惑をかけてごめんなさい」と言ってしまう光景を無くしたいという思いがあります。今回はワーキングマザーや家庭機能の維持に焦点を当てた話でしたが、介護や闘病、キャリアアップなどライフイベントは様々であり、かつすべての人に何かしらのイベントは必ず訪れます。凹凸組み合わせの最適化が図れれば、ライフイベントの際には「サポートしてくれてありがとうございます」というお礼と「今度は自分がサポートする側になろう」という気概が自然と生まれるのではないかと期待し、その実現にむけて組織運営を進めていければと思っています。

アンケート結果