「北海道大学病院における新型コロナウイルス感染症の流行に伴う職務上の影響にかかわる調査結果」について
アンケート「新型コロナウイルス感染症流行に伴う、当院職員の欠勤ならびに業務への影響に係る調査」
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行による業務への影響を把握し、対策を講じる一助となるため、北海道大学病院の職員を対象に、2020年2月28日から5月31日の業務についてアンケート調査を実施しました。医育機関としての機能を多面的に評価するため、診療・研究・教育、それぞれにおいて質問を作成しました、
方法
2020年2月28日から5月31日の期間内の、COVID-19による業務上の影響に関する19の質問で構成しました。
回答者
対象者2496人のうち、982人が回答し、回答率は39.3%であった。性別の割合は女性が62.2%(611人)、男性が31.3%(307人)でした。職種の割合は医師が19.6%(192人)、歯科医師が9.5%(93人)、医療技術職員が11.7%(115人)、看護職員が54.5%(535人)、薬剤部職員が4.8%(47人)であった。職種別回答率は医師が26.1%、歯科医師が44.9%、医療技術職員が29.6%、看護職員が49.6%、薬剤部職員が55.3%でした
結果
いずれの業務においても、量・質ともに多様な影響が見られました。欠勤はすべての職種に認められ、主な理由は、家族の一斉休校、休園や自粛要請でした。職場の雰囲気や理解、体制の構築を望む回答者が多くみられ、オンライン化や在宅・分散勤務、感染対策の徹底など、継続が有効と思われる変化も見られました。特に感染対策として、本人あるいは家族の体調不良時の欠勤、復職基準の徹底は重要であり、同時に職員がスムーズに出欠勤できる支援体制が必要と思われました。
アンケート結果を取りまとめ日本医師会雑誌に下記論文を投稿し受理されました。
阿部結希、清水薫子、中司展人、船木典子、長堀紀子、菅原満、澁谷斉、高橋久美子、北川善政、今野哲、渥美達也(2021)、北海道大学病院における新型コロナウイルス感染症の流行に伴う職務上の影響にかかわる調査結果、日本医師会雑誌、第150巻、第1号、99-100
https://www.med.or.jp/cme/jjma/index.html
*上記リンクより日医雑誌のPDFを見るためには日本医師会の会員ID,パスワードの入力が必要となります.